旅というのは不思議なもの
旅をする度に成長と発見が生まれることに気付かされる。別に特別なことをしていないはずなのに何故だろうか。乗り物に乗って移動して、景色を見たり食べ物を食べたりなどをしているだけのはずなのにどうしてだろうか。
高知のあるホステスに泊まった時になにかその答えに気づいたような気がした。
とまり木ホステス
旅の途中に事故に遭ってしまい予定を変更して高知市内で泊まることにした。単なるカプセルホテルだと思い予約したのだが、そこはホステスになっておりスタッフやほかの旅人の方とコミュニケーションできる場だったのだ。
そこで色々と会話しているうちに何か発見したというか閃いたというか、気づいたことがあった。
自転車で走っているとしょっちゅう上り坂や向かい風に出くわす。車とか電車とかなら例えこういうことに出くわしても全く感じないのだが、自転車はこういうことに大きく左右される。ペダルは本当に重いし、前にはなかなか進まない。特に四国という場所は坂が多い。関東出身にとってはなおさら感じる。
他にも旅していると大抵の時間は孤独になる。正直店に入らなければ話す相手もいない。あとはお遍路さんやサイクリングしている人には手を振って励ましあった。でもそれ以外は本当に孤独になる。
特に室戸市の中心街から徳島県に入るまで空いている店が殆どなくて本当に孤独だった。
その時に何かと人のことを想うのだ。自分だけは立ち向かえない。そんな時こそ人のことを想うようにして何とか気持を前へ進ませようとする。
むしろ人を想う気持がペダルを踏む原動力になっていると言った方が正しいのかもしれない。自分だけではおそらく完走しきれなかっただろう。確かに一人旅だろうけど、実際には一人旅ではないのだ。1人じゃ成し遂げられないことに気付かされた。
旅というのは不思議なものだと思う。■